「ラントバルト」の
伝承たち
ここでしか耳にできない、不可思議な伝承が息づくラントバルト地方。
今もなお住民の間に浸透しているおとぎ話の主人公たちを、
いくつかご紹介しましょう。
ネムンローゼの悪魔
子供をさらう代わりに金の卵を残していくという、ラントバルト地方に古くから伝わる悪魔。童話では神父との知恵比べに負け、教会の見張り番として捕らえられたとされている。
「教会を守る悪魔」という逸話にちなんでか、ラントバルト地方のごく一部の教会には、カラスをモチーフにした装飾がされている。
バルバット
「森の死神」「黒い小人」とも呼ばれ、鈴の音をさせながら家々をめぐっては、悪い子供を森の奥へとさらっていくとされる。バルバットが鳴らす鈴の音やホーホーという呼び声の正体は、この地方に住むセミとそれを食べに来る鳥の声だとされている。
「いい子にしていないとバルバットが来るよ」というのは、言うことを聞かない子供に親が言い聞かせる時の決まり文句。
蛇の王
ラントバルトの湖に伝わる伝承。とある娘が湖に指輪を落としたところ、蛇の王がそれを水底から拾い上げて娘に返してやったが、娘はその晩、蛇の王に呼ばれるがまま湖に身を投げてしまった…というもの。
痛ましい水難事故のいましめを説いたものである、とされているが…。
ライカン
「まほうの毛皮」という童話に登場する怪物。とある狩人が、魔力を宿した大きな狼を捕らえたが、その強い魔力に魅了されてしまった狩人はその毛皮を身にまとい、夜な夜な人狼に姿を変えて人々を襲うようになったという。
地元のお年寄りには、今でも「森の奥にはライカンが住んでいる」と信じているものがいる。
シュレッツァルの魔女
薄い金色の髪を長く伸ばし、白いドレスをまとった美しい魔女。「白魔女ヘンリー」という怪奇小説の題材として用いられたことから、ラントバルトの伝承の中でも比較的広く知られている。
美しい姿とは裏腹に、人の生き血を好む残虐な魔女とされているが…。